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「地球へ…」第21話 [「地球へ…」]

地球へ… 3 (Gファンタジーコミックススーパー)

地球へ… 3 (Gファンタジーコミックススーパー)

  • 作者: 竹宮 惠子
  • 出版社/メーカー: スクウェア・エニックス
  • 発売日: 2007/04/06
  • メディア: コミック
「君は太く短い人間の生命力と、細く長く細やかなミュウの精神、その両方を併せ持っている。
我々ミュウが母なる地球へ帰り着くのに人間達と手を繋ぐか、彼らと戦い勝ち取るのか。我らを導き、その答えを見出すのに、君ほどふさわしい者はいない。
信念を持って進め。ジョミー!」
「ブルー。貴方は生きている。今も僕の中に…」



物語も佳境に入ってまいりました。
人類の首都星ノアはミュウに無条件降伏し、自由と引き替えにテラズナンバー1を破壊し成人検査の全面撤廃を受け入れ、人類軍はソル太陽系に全軍を終結させ、最後の砦で守りを固める…。素人目に見て背水の陣にしか見えないんですが、それで本当に良いんですか?キース閣下。
コンピューターの導きから切り離された事に怯える看護婦を見てスウェナは言います。
「どうなるのか…。それは私達が自分で考えて決める事だわ。」
(そうなんでしょ、ジョミー。)
サムの病室の窓からシャングリラを見つめながら、幼馴染につぶやくスウェナ。
コンピュータに支配された時代が長くなり、それ以前は資料でしか残っていない世界。そんな中で自分の意思を貫けるスウェナは有る意味、ミュウ以上に特別なんでしょう。軍事教育に彩られた対戦時の日本の在り方を批判した文化人達のように…。洗脳以外の何者でもない教育を受けながら、それは間違っていると思う意識の持ち方は、なかなかできる事では有りません。

ミュウたちは太陽系に全軍を集めた人類軍に対し、シャングリラを含め4隻の戦艦で最後の長距離ワープに入ります。後3隻をゼル、エラ女史、ブラウに指揮系統を任せて…っていつの間にそんなに戦艦組むようになったんです。きっとシャングリラ以外の船を見た感じ、降伏した人類軍からぶん取って改良したって感じですが…(笑)。
「この決戦を勝ち抜き、地球の喉元に僕らの意思を突きつける!」
(ブルー、貴方の想いと共に飛びます。行きましょう!地球へ!)

人類軍の側にワープしたミュウ軍に対し、戦闘態勢に入るキース達。しかし人類軍の戦艦や戦闘機の名前ってアッチコッチの宗教から持ってきてますね。キリスト教、ギリシャ神話、北欧神話…そのうちゲルマン神話も出てくるんでしょうか(苦笑)。

ワープ中のシャングリラではナスカ・チルドレンが集まって出撃前の休憩中。
「皆、緊張しすぎだっつーの。船中ピリピリとんがった思念波でいっぱいだぜ」
「タージオン!また仲間の心を覗き見してるの!ばれたらジョミーに怒られるわよ!」
…つまり怒られた事あるんですね(笑)。
ジョミーは嘗てシャングリラに連れて来たばかりの頃の、頭の中を覗かれる不快感を知っているので、必要な時以外には禁止してるんでしょうか?
他のナスカ・チルドレンが休んでる時も、トォニィだけは戦闘機の整備をおヤエさんとやっております。そこにちょっかいをかけに行くアルテラ。冷たい物を一生懸命の時に当てたら、そら吃驚するわ。でも子供っぽいしぐさで可愛い
相変わらずグランパばかりのトォニィにすねるアルテラ。
「もう!トォニィったら口を開けばジョミーのことばっか。」
「悪いか?」
「偶には私のことだって。」
「ん?なんだって?」
「別に?飲む?」
(きゃぁ、間接キッス)
「いいよ。お前んだろ?」
「べー!!」
原作の二人は完全な両想いでしたが、アニメ版はまだトォニィの自覚が足りないようで(笑)。
微笑ましい限りです。
「いいな。あいつら青春してんじゃん
若さを保って82年。何がいけないの?何が?」

おヤエさん、同感です。でも82歳だったのね(苦笑)。
年上の方だとは思ってたけど。

一方、潜在ミュウとして強制収容所に入れられたレティシア親子。
私のせいでと落ち込むレティシアに、貴方は何も悪くない、お前は私達の子供なんだから…と慰めるパパ&ママ。
ジョミーの分までこの子を守ろうと強く誓っている親の姿に感動!
しつこいようだがジョミーに聞かせてあげたい!!

シャングリラの中で泣いているアルテラを探しに来るトォニィ。
さすがに様子が気になったのか、それともおヤエさんに行けと言われたのか(笑)。
「何、黄昏てんだよ。らしくねぇな。」
トォニィ、原作より口悪いです。現代っぽくしたんでしょうか?
アルテラが泣いているのに気づいてうろたえるのが、いつも強気の彼らしくなくて良いです。
「何で私達戦ってるの?最初は皆を助けたいだけだった。
なのに戦えば戦うほど、自分が化け物だと自覚する…。皆から心が離れるばかり!
もし地球にたどり着いたら、勝利を手にしたらどうなるの?
今度は私達が追われる番だわ!
戦いなんて大嫌い!それをさせるジョミーも大嫌い!!」
「ジョミーは…彼はナスカの責任を想いの全てで贖おうとしているんだ。
僕等のパパとママを救えなかった事、多くの仲間を救えなかった事…。
その全ての罪を一人で背負って地球を目指してる。」
はっとするアルテラ。アルテラだって気づいていたはずです。
トォニィほどではなかったにせよ、ジョミーの為に大きくなったんですから。
嫌いって言葉だって勢いで言ってしまったんだよね。アルテラを抱きしめ言葉を続けるトォニィ。
「そこに何があるのかは僕にはわからない。
でも、そこは彼にとっての約束の地なんだ。泣かないで、アルテラ。
僕らは望まれて生まれたミュウだ。
パパやママ、そしてジョミーに僕らは生まれた時にすでに愛されていた。
他のミュウとは違うんだ。だから守りたかった。
感謝されたくて、こうなったわけじゃない。」

「判って
る…。判ってるわ。」
「今はジョミーを信じよう。
いつも心で泣きながら戦っている彼の想いに、偽りは無いと信じてる。」
やっぱりトォニィ判ってたんだね。ジョミーの心の内。
でも本人目の前にすると子供っぽくなるのは甘えだろうなぁ(笑)。

スウェナからレティシアを助けてくれと言われるキース。
一見勝手なようですが、母親とはそんなもの。それが判らないキース。
彼には母親という存在はいなかったから…。
「愛するのに時間や血の繋がりなんて関係ないわ!」
「理解しがたいな。」
冷たいようですが愛された事のない人間に、愛が理解できる可能性は薄いでしょう。
彼本人とマザーコンピュータ以外知らない事だから、この場合理解されないのはキースも同じ。
マツカは感づく可能性有りますが…。

とうとう戦闘に入る両軍。シャングリラの上部に船が突き刺さり、「全軍きってのゴロツキ(マツカ談)」の白兵が襲い掛かります。スーツのせいでサイオン能力が効かず倒れるミュウたち。
駆けつけたジョミーのおかげで白兵たちは倒れますが、今までの戦いと違う事を感じるジョミー。
「トォニィ。今回の敵は今までとは違う!」
一方戦闘機で外に出たナスカ・チルドレンも苦戦。対ミュウ訓練を受けたメンバーズたちに手こずり、コブ、タージオンが死亡。
トォニィもやられそうになりますが、そこに駆けつけるアルテラ。
「トォニィは私のだ!トォニィに手を出すなぁ!」
だが蜂の巣にされて倒れるアルテラ。彼女の遺体を抱きしめ、まるで嘗ての母親のようにサイオンバーストを起こしかけるトォニィ。
元々強い彼の力になぎ倒されていく人類兵。
狂ったように力を放出するトォニィを後ろから抱き止めるジョミー。
「落ち着け!トォニィ!このままではお前まで壊れてしまう!!冷静になれ!」
きっとジョミーはカリナの最期を思い出したのでしょう。
ジョミーに気づき、自分を取り戻して泣くトォニィに彼は言います。
「僕達は前に進むしかないんだ。しっかりしろ。
今は泣くな、トォニィ。僕等は地球に行くしかない。
それしかこの戦いを終わらせる方法はないんだ。」

戦いが一時止まり、戦死者の死を悼むミュウたち。ペスタチオがトォニィに差し出すアルテラのコップ。
それには「Dear Tony, LOVE Your smile(あなたの笑顔が好き)」と書かれていました。
たった4人になってしまったナスカ・チルドレン。
涙を抑えきれないトォニィを切ない表情で見つめるジョミー。(久しぶりに切ない表情を見た気がします。)
そこに入るキースからの通信。
ジュピター上空に潜在ミュウの強制収容所があることを告げたキースは冷たく言い放ちます。
「彼らの生命は我が掌中に有る。これからこの施設をジュピターの大気圏に落とすといったらどうする?ジョミー・マーキス・シン!!
彼らはあの星の重力と大気に押しつぶされ、恐怖と絶望のうちに緩慢な死を迎えるのだ。」
キース、やっぱりアンタ化けモンだわ。
気が進まなそうにグレイブが「あれ」って言ってたのコレの事だったのね。
グレイブ虐殺嫌いだもんなぁ。

本当にレティシア親子の身が気になります。あぁ、今からドキドキする。
終盤に向けて展開が心臓に悪すぎです。


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冬萌まる▼・ェ・▼

気がつけば、あと5話程でおしまいなのですネTT
戦闘シーンといえば、たいていごちゃごちゃして
訳判らん展開が多いのですが、肉体VS戦闘機(戦艦)
のせいか、丁寧に描かれてたと思います。
それだけに、あれだけ子憎たらしかったアルテア達の
死にちょっとウルウルきてしまいました^^;
ひたすら極悪非道を突っ走るキース君は、
原作と違って、単独行動をとるのに正等な理由を
トォニィに与えてますネ。来週も泣けるかな?
by 冬萌まる▼・ェ・▼ (2007-09-02 21:47) 

ミカリン

なんか、悪役まっしぐらですねぇ、キース。おかげで今回のアニメ版、キースファンには受けが悪いようで…(苦笑)。
まぁ万民受けするアニメなんて有りませんが…。

なんか嘗てのブルーファンからジョミーファンに移行中のワタクシです。ブルーも好きなのは相変わらずなんですが、なんかアニメ版ジョミーが健気で…。

来週はマツカの生命も危なそうですね。そっちで泣けるかも…。
by ミカリン (2007-09-03 00:30) 

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