あの空をおぼえてる [映画・TV・ドラマ]
突然の事故にあった兄妹。
男の子にしては大人しめな兄に、おてんばすぎる妹。
家庭的な父親に、妊娠中の優しく明るい母親…。
絵に描いたような理想的な家庭に襲い掛かった不幸な交通事故。
心拍停止までいきながら、息を吹き返した兄に、助からなかった妹。
息子が生き残ったことを喜びながらも娘の死を嘆き、お互いその傷に触れまいと、普通に過ごそうとする家族。でも日々の中で、その傷は次第に大きくなっていきます。
そして小学4年の兄は妹の代わりを務めようと必死になり、親の傷を埋めようとする中で自分が傷ついていく…。
後半出てくるたくさんの妹への手紙…。両親を傷つけるため言えない心を綴った手紙…。涙が止まりませんでした。
皆が傷ついているのに、相手を思いやるあまり、かえって相手の傷を広げてしまう。
…似たような状況に有った知人の家庭が頭に浮かびました。
やっぱり、色々あったんだろうな…、私たちには見せなかったけれども…。
手紙を見つけた両親は、息子が誰よりも苦しんでいたことに気が付きます。
「僕が変わりに死ねばよかったんだ。」と思っていた事を。
大人から見れば当たり前の何気ない一言が、子供にそんな誤解を生んでしまったということを。
自分がその立場だったら、果たして彼らのように相手を思いやれたか…自信は有りません。
でも、その思いやりが時に、人を却って傷つけてしまうことも、思いの外にありました。
大切な人をなくした時、貴方はどうしますか。
どうすることが、相手の為になるのでしょうか?
消えない悲しみを抱えて、生きていくのにどうすればいいですか?
この話は、そんな事を私たちに問いかけているように想いました。
はっきり言って、まだ私の中で答えは出ていません。
それでも、まだ余韻が後をひいて離れません。
今度、原作本を読んでみよう…そう思わせてくれる映画でした。
>xml_xslさん
nice!ありがとうございます。
by ミカリン (2008-05-25 02:40)