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男装の麗人~川島芳子の生涯 [映画・TV・ドラマ]

清朝十四王女―川島芳子の生涯 (ウェッジ文庫)

清朝十四王女―川島芳子の生涯 (ウェッジ文庫)

  • 作者: 林 えり子
  • 出版社/メーカー: ウェッジ
  • 発売日: 2007/10
  • メディア: 文庫
この人に、初めて興味を持ったのは、劇団四季の「ミュージカル李香蘭」がきっかけでした。
その時にこの役を演じていた保坂知寿さんという舞台女優さんに魅かれたのも、一つの原因でした。

ドラマなどの脇役として出てくると、非常にりりしく、格好良く描かれることが多い彼女。
男装の麗人として、一時期は日本国内外で話題になった彼女。
その彼女が主役となって登場することに、大変興味を持って、今回のドラマを見ました。

実際の彼女は奔放で虚言癖があり、言っていることが支離滅裂で、周りを相当振り回す人物だったようです。

清国の王女として生まれ、川島浪速の養女となり、育ちは悪くなかったはずの彼女。
そんな彼女が何故そんな性格になってしまったのか…。
当時の女性として、断髪をするということは大変なことであり、その原因に養父に体を要求されたという噂が有るということは、以前から本で知っていました。

日中戦争の中で女スパイとして暗躍した彼女。
例え、その行動が歪んだ物であったとしても、子供の頃から清朝復活を言い含められた者として、それの為になると本人が信じていたことは確かだと思います。

きっと幼い頃に親から離さ、異国で養女となり、その養父との関係等の中で、彼女の心の何かが壊れていったことは想像に難くなく、それが戦争とあいまって、日中両方に利用され最後は売国奴として銃殺される人生の中で、歪みが歪みを呼んでいったのでしょう。

それを今回のドラマで強く感じました。

「誰か助けて!」
「僕は誰!?」

これは彼女の若いころからの心の叫びだったのではないでしょうか。

ドラマで描かれたように、彼女の銃殺後の顔が複数の銃痕でつぶされていたこと、体つきが彼女と違うという証言があったことから、生存説が流れたことも事実です。

いずれにしても、彼女がもう亡き人になっていることは確かなこと…。

彼女もまた、戦争の被害者だったのでしょう。

今はただ、彼女の魂が、その波乱万丈な人生を終えて、静かに穏やかに安らかに眠っていることを祈るのみです。

もう二度と彼女のような人生を歩む人間がいないことを望みつつ、冥福を祈ります。


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