ミュージカル「アイーダ」

ELTON JOHN&TIM RICE’S アイーダ(劇団四季)(CCCD)

• アーティスト: 阿久津陽一郎, 佐渡寧子, 濱田めぐみ, 飯野おさみ, 山添功
• 出版社/メーカー: エイベックス・マーケティング・コミュニケーションズ
• 発売日: 2004/06/09
• メディア: CD

自他共に認める四季オタクの私が、個人的諸事情からやっと初めて『アイーダ』を観て参りました。

えー、オペラは観ていません。ストーリーは一応知っていますが。オペラ『アイーダ』と聞くと、どちらかというとサッカー(日本代表）を思い浮かべてしまうのは私だけでしょうか？私だけですね。すみません。

壮大さ、絢爛さ、豪華さ等に圧倒されてしまうのは、生の舞台では良く有る事ですが、今回の場合もそうでした。やっぱり舞台っていいなぁ。今日はいい夢が観れそうです。ありきたりな感想ですが、感動しました。

しかしメイン三人の性格の力強いこと。確かオペラのアイーダって従順で優しい性格じゃなかったっけ。誇り高いこと、信念の強さ、気の強さ…結構男顔負けです。さすが奴隷とはいえ一国の王女。
オペラでは恋人にあっさり軍の機密をしゃべってしまったりするラダメスも、情熱的なのは確かですが、その辺やはり次の国王に指名されるだけあってしっかりしてるし、最初わがまま娘っぽかったアムネリス王女も後半では成長して、時期女王としての貫禄と慈愛は充分。オペラではアイーダに嫉妬して最後はラダメスの死を悲しむところで終わると聞いているんですが…。

始まりとラストの生まれ変わったアイーダとラダメスが出会うシーンは、先に見た人に話を聞いた時は「ディズニーらしいな」と思ったんですが、コラムを見て気づいたのが、古代エジプトの死生観。
「現世」より「来世」　「この世」より「あの世」
「この世で悪事を行っていなければ、あの世で復活できる」
確かにヌビア人奴隷のアイーダはともかく古代エジプト人であるラダメスは来世での再会を信じていても不思議ではありません。古代エジプトの研究者の某さんは、この作品のこの部分が大変興味深かったとか。なるほど、そういう訳だったんですね。確かに本当にディズニーらしさを求めたら、彼ら処刑されずに逃げてハッピーエンドな様な。『ノートルダムの鐘』だってユーゴーの原作では主要人物、一人残らず死んでるのに、ディズニー映画では悪役が死んだだけでハッピーエンドだったし。

しかし、女から観てこのミュージカル版アムネリス、カッコいいです。アイーダとの間に友情が生まれるのも斬新ですが、最後の裁判シーンの凛々しい事。きっといい女王になったんだと思います。ラスト転生したアイーダとラダメスが視線を何度も合わせながら、なかなか歩み寄らないのが歯がゆかったのは、観客より彼女だったかも(苦笑）。

次は８月に観る予定です。１度目というのはどうしてもストーリーを追うので精一杯になってしまうので、本当の感想や評価は２度目以降というのが持論でして。今度は舞台全体見渡せるように、２階からの観劇です。

新名古屋ミュージカル劇場は２階後方席がとても見やすいので、後方の１階席より値段的な部分も含め、お勧めな場合があります。劇場を作ったのが、建築家でなく劇団というのが大きな理由でしょうね。どの席でも見易くて、収容人数は少なめですがいい劇場です。