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「地球へ…」第22話 [「地球へ…」]

地球へ… 3 (Gファンタジーコミックススーパー)

地球へ… 3 (Gファンタジーコミックススーパー)

  • 作者: 竹宮 惠子
  • 出版社/メーカー: スクウェア・エニックス
  • 発売日: 2007/04/06
  • メディア: コミック
 
「キース、捉まえましたよ。僕が貴方を死なせない…。」
「…悲しんでくれた。キース…。」

…あれ?涙が止まりませんよ?どうしたんでしょう、私。
ブルーやキムの時より泣いてるよ私…。シロエの時みたいに嗚咽しちゃったりして…。
シロエもマツカも好きか嫌いか聞かれれば好きだったけど、それほどだったっけ?私…。

今回のお話は前回のラストから始まりました。そしてトォニィの中で鮮やかに甦るアルテラの記憶…。
膝を抱えて泣く、弱々しい姿はまさしく彼がまだ子供で有る事を思い出させてくれます。
また一人大切な人を亡くしちゃったね、トォニォ。失って気づく自分の想い…、切な過ぎます。

前回から出てきている潜在ミュウの強制収容所は軍の人間にも及んでるらしく、国家騎士団も宇宙海軍も同じく検査の結果、収容された人間が居るようです。反逆の意思も無い、忠誠心が厚いのにという周囲の反論に、
「意志の問題では無い。奴らは根絶やしにすべき化け物。容赦など必要ではない。」
とキース。そんなキースに違和感を覚えつつも、表情を曇らせるマツカ。
グレイブが一つキースに質問します。
「万が一、ご自身にM因子が認められた場合、その時は…?」
「例外は認められない。かまわん。殺せ。」

「相手がミュウとはいえ、国家主席自らが乗り出し人質を盾にするか。」
そんなキースに気弱で病弱だというイメージをマツカに持っているグレイブは、
「お前もよく、あの男に仕えていられるな。」
と声をかけますが、彼って最初にキースに会った時の宇宙船の事故の件を知っているはずなので、冷酷なキースの態度に何か感じていても、不思議は無いですね。
そうだとしても彼の立場でそれを口出しする事も無いだろうし、する気も無いでしょう。
上司だから従ってるだけで、本当は会いたくない相手でしょうから。

(キースはそんな人じゃない。僕はどこかで、そう信じようとしている…。)
きっとそれは何回も彼の心の片隅に有る何かを、感じ取ってきたから…。
ひょっとするとキースは、ブルーを失った時にジョミーが心を押し殺してしまったのと同じ様に、シロエを殺した時に心を押し殺してしまったのかもしれない。
ジョミーが意思的にそれを行ったのと違って、無意識に…。そう思うと哀れですね。
原作等に比べてすっかり悪役イメージの彼ですが、本当に悪役になられちゃ話が違います。
本当の彼…、サムやマツカ以外に気づく人はいるのでしょうか?
「根絶やしにするべき化け物ミュウ…。何故僕を生かしているのです?
利用しているだけなのですか?」
「そうだ。化け物を倒すのに化け物を利用しているだけだ。他に意味など無い。」
「では、この戦いが終わったら、僕も…。」
「処分する事になるかも知れんな。どうする?そうなる前に私を殺すか?」
そこまで冷たく突き放されても、彼の態度に疑問を抱くマツカ。
(なにが貴方をそうさせるんですか…?)

強制収容所の中、レティシア親子は相変わらず強い絆で繋がっています。
そんな中何となく、周りの人の心の声が聞こえたレティシア…。
この子、本当にミュウなんですね。
スウェナ関係で狙われたのか、本当のミュウなのか今までハッキリしなかったので…。

シャングリラの中、人質の存在に心乱れるミュウたち。そ
のミュウたちにジョミーは今までどおりテラに進軍する、撤退は出来ないと告げます。
反発するブラウとゼル。特にゼルの反発は物凄く…(あ、いつもか)。
ゼルが告げます。ジュピターの側に嘗てアルタミラは有ったと。
当時は逃げるのに必死で地球が近くに有る事に気が付かなかった。
アルタミラとナスカで仲間の多くを助けられずに、また同胞を捨ててまで地球に行く気はないと。
興奮するゼルにジョミーが静かに告げます。
えー、お二人どっちが年上でしたっけ?年齢差はお幾つですか?(それは言わない約束です)
「老師、貴方の船は特別な筈だ…。考えがある。」

一方敵艦の様子を探るトォニィをいさめるハーレイ。
父親と反抗期の息子って感じで、切迫した会話なのに微笑ましく感じたのは何故でしょう。
原作では腫れ物扱いが抜けない感じのナスカの子たちですが、アニメの長老達とトォニィの関係は親子に近くて良いですね。
「勝手な行動は慎め。トォニィ!」
「グランパのために一人でも多く、人間を殺す!それだけさ。」
「ジョミーが本当にそんなことを望んでいると思うのか!
お前はジョミーの気持ちを判っていない!!」
「それはアンタの方だ!感じるんだ…。
グランパの苦しみを…、あの痛みを…、消してあげられるなら…、僕は…。
何も出来ない奴が、偉そうな口を叩くな!」
他の長老達はともかくハーレイは判ってると思うよ、トォニィ。
年の功も有って、これはハーレイの方が正しいだと思う。
人間を一人でも多く殺したらジョミーの痛みは、もっと酷くなるよ。
(ブルー…。あの子に導きを…。)
ハーレイ良い男です。

ゼウスの艦内ではキースにコーヒーを入れながら、戸惑いが続いているマツカが居ました。
(閉ざされた心から滲む様に漏れ出す、切ない感情…。
何だろう?今日のあの人はやっぱり変だ。)
コーヒーを渡す時に触れた手から、サムが死んだ事を知るマツカ。
(涙…。キースの涙…。心の中に流れる…。彼について来て良かった。)
「どうして…そんなフリをするんですか!?何も感じていない冷たい機械の様に!
貴方は完璧なんかじゃない!
本当は…本当は…誰よりも優しくて人間らしい心を持っている…。」
心を見透かされた事を知って、マツカを引っ叩くキース。
「言った筈だ!私の心に触れるなと!出て行け!!」

反論しようとして、何かに気づいたように素直に従うマツカ。
(貴方のピアス、サムの血だったんですね。彼は永遠に貴方の中に居る。
深い悲しみと共に。キース、僕が居なくなっても、貴方は悲しんでくれますか?)
マツカ切ないです。なんかここでホロリ。

その頃トォニィが単独行動でゼウスに乗り込んでました。
マツカを追い出して独りのキースの部屋にテレポートで潜入。
「覚えてるか?僕の事。ナスカは僕の故郷だったんだ。
ママもブルーも優しい人だった。ジョミーまで殺させはしない!」
トォニィがキース恨むのって当然なんですよね。
ナスカの惨殺だって、その後の戦争の被害だって、キースが首謀者ですもんねぇ。
超能力でキースを窒息させようとするトォニィ。
「苦しいか?アルテラ達はもっと苦しんだんだ!お前を簡単には死なせない!」

その頃、地球への進路を変えないミュウ側の態度に、強制収容所をジュピターに落とすかどうかで揉める艦内。
…キースの返事が無いなら、何か有ったと思って見に行くのが普通では?
その時、強制収容所に接近する火の玉が…
。このような事態を予測して前以てゼルの艦にステレスデバイスをつけておくとは…おヤエさん恐るべし!
「キャプテン・ゼル、ただ今参上!」(楽しそうだね、おじいちゃん。)
一時は失敗かと思われますが、3人のナスカ・チルドレンが収容所を支えて落下を阻みます。
「アルテラ!タージオン!コブ!」
「皆、力を貸して!」
…健気な子供たちです。思わずここでもホロリ…。
「急いで救出を!」(良かった!)
ジョミーの表情が本当にホッとしてて、一緒に「良かった!」って思っちゃいました。
ジョミー、パパもママも無事で良かったね。
ハーレイが敵の指揮系統が混乱していた事に疑問を持ちます。
「まさかトォニィが?では彼を止めなかったも…」
「時には怒りが生きる力になることもある。
仲間の死にふさぎこみそうな今の彼には、突き放す事も必要だ。ハーレイ。」
経験談でしょうね。ブルーが死んだ時?ナスカに残った仲間の遺体を見た時?
彼は今までその時の怒りを力にしてきたんでしょうね。

一方、ゼウスではキースの危機を感じたマツカが強いサイオンを発揮し、倒れているキースとその側に立つトォニィを見つけます。
「キース!!!」
キースが死んだと思って(実際仮死状態ですね)サイオンバーストを起こすマツカ。
「お前がキースを!キースを殺したのか!!」
トォニィはミュウがキースの味方をするのに驚き、人間は敵なんだと必死で説得しますが、マツカには通じません。
埒が明かないと悟りキースにとどめを誘うと力を放つトォニィ。
大量の血を浴び呆然とした先に倒れていたのはキースをかばって飛び出したマツカ…。
「なんで…、お前出てくんだよ…。」
今まであくまで敵は人間だと思ってたトォニィ。
まさかミュウが敵にまわるとは思っても見なかったのでしょう。
「ミュウを殺した…。僕はミュウを…。でもこれしかなかったんだ。僕にはこれしか…。」
同胞であるはずのミュウを殺してしまい、混乱して涙の止まらないトォニィ…。
今まで力の弱いミュウを馬鹿にするような態度をしていても、仲間だと思ってた証拠でしょう。
そして、彼が非情ではない事の何よりの証明だと思います。

セルジュたちが駆けつけると倒れているキースと、身体を半分消失させ血の海に倒れているマツカ。
マツカは即死と見て、キースの蘇生を試みるセルジュ。
「閣下!戻ってきて下さい!閣下!」
その時ひそかに動くマツカの手。

その時、キースの意識は水の中、懐かしいサムやシロエが手を伸ばします。
『キース、何やってんだよ?元気出せ。しっかり食って、しっかり動く。
そうすりゃ元気が出るぜ』
『先輩、どうしたんですか?らしくないですね。
機械の申し子もたいした事ないですね。さぁ、手を伸ばして。先輩?キース先輩?』
なんかシロエが優しいんですが…お迎え?(待て)
彼らの手を取る事が出来ず、濁流に飲まれそうになるキースの手を、一つの手がしっかり掴みます。
『ダメ…。キース、捉まえましたよ。』
「マツカ?」

『僕が貴方を死なない。』

蘇生を果たすキース。驚き喜ぶ部下達の声を聞きながら、自分の腕を誰かが掴んでるのに気づきます。
マツカ…?…マツカ…!マツカ…!!マツカ!!!」
普段見せない悲しいキースの顔、そして声。
…マツカの目に涙が浮かびます。
(悲しんでくれた…。キース…。)
満足して微笑みを浮かべて、死んでいった彼。大切に思った人が悲しんでくれた事を知って…。
でも、理解者を全て失ったキースの心はどんなに痛んでいるんでしょう。
マツカはキースにとって失って気づく大切なものだったのでしょう。
理解している人が居るから、SD体制の為に悪役にもなれたのではないかと思います。
…これから残り少ない話数の中、彼の心は何処に進んでいくのでしょう。

遺体の処理を自分一人で引き受けセルジュはつぶやきます。
「馬鹿野郎…。先に逝っちまいやがって…。…マツカ!!」

私はミュウ贔屓なのですが、今日は完全にマツカ視点で見てしまいました。
水の中、キースの手を掴むシーン辺りから泣けてきてしまい、ED聞きながらグジュグジュに泣いていました。
原作版のマツカの死も悲しかったけど、ここまで泣くとは予想外でした。今日は眠れないかも…。

マツカ、頑張ったね。どうか安らかに眠ってください。


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コメント 2

冬萌まる▼・ェ・▼

マツカ~T0T知っていたコトとはいえ、私もウルウル
きちゃいました~。原作の彼より、アニメは心情を
深く掘り下げて頂いて感激です。
・・・マツカ、優しすぎるんですよ~TTミュウだからかも
しれないけど・・・そして、トォニィも。
皆、ホントにいい子達だよ~TT
そして名(迷?)セリフ「こんなこともあろうかと」
まさか、こんなとこで真田さんの分身に会えるとは
感謝感激雨あられでした^^;
いいのか?パクって?時効だから許される?
(ああ・・・歳がバレる・・・ーー;)
by 冬萌まる▼・ェ・▼ (2007-09-09 11:30) 

ミカリン

本当に、今回は心情を深く描いた回でしたね。結局皆優しいんですよね。それぞれの立場が邪魔をしているだけで。

例の台詞は時効ですよ、時効!(笑)

今回ジョミーの影が薄かったけど、マツカが主役だったから許します!最期、彼自身が満足できたのが、何よりの救いですね。
by ミカリン (2007-09-09 12:00) 

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