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「地球へ…」劇場版(中編・上) [「地球へ…」]

地球へ・・・

地球へ・・・

  • 出版社/メーカー: 東映
  • メディア: DVD
地球へ・・・ Expansion Disc I ~さよならを君に~

地球へ・・・ Expansion Disc I ~さよならを君に~

  • 出版社/メーカー: アニプレックス
  • 発売日: 2007/12/19
  • メディア: DVD
「僕にはまだ全てがつかめていない。でも一つだけソルジャー・ブルーの心が僕の中に流れ込んでいる。ソルジャーが死んでしまった今、それが僕と君達との意志なんだ。地球へ向けて出発する!故郷…地球へ!!」

 

さあ、毎週土曜日恒例の、「地球へ…」の記事の日がやってまいりました(誰も待ってないって)。
いつも通り、興味のない人は回れ右でお願いします(苦笑)。

ミュウ達がアタラクシアを脱出してから3年後、教育ステーション内のキースたちの卒業も迫ってまいりました。卒業前の練習飛行に出ているキースやサム。順調に進む訓練の中、突然飛び込んでくる正体不明の通信…。

「僕の名前はジョミー・マーキス・シン。ミュウの長として地球にテレパシー通信を送る。地球の最高府と交信を望む!僕の名前はジョミー・マーキス・シン!」

体制を崩すものの、キースの機転で無事帰還を果たす候補生達。しかしサムは成長していない幼馴染の姿に大きなショックを受けます。おまけに化け物だと教えられているミュウの長としての彼の言葉…。TV版と大きく違うのは、ミュウと言う存在を皆が敵として認識している事です。TV版では、かなり上層部の人間でない限り、「M(ミュウ)って何?」って感じでしたし、暗号みたいに『M(エム)』って呼ばれてました。

超能力者が出てくる作品と言うのは、大体は疎まれる存在として存在し、「化け物」と呼ばれたり、軍の中に組み込まれていても、「超能力部隊」みたいな感じで、特殊な任務を処理する為の普段は仲間はずれにされた存在という設定が多いですね。
現代の社会の中で「いじめ」という事実が存在し、ちょっと人と変わっていると言うだけでも社会の中で、何となく仲間はずれにされたりという現実を見ていると、漫画や小説とはいえリアルな表現だと思います。
「いじめられる側に原因がある」と言う言葉は、本当は有ってはいけない事。人種による差別、伝染しない病気の人間に対する隔離や差別…、同和問題だってまだ解決しきってるとはいえないでしょう。まだまだいっぱいの差別やいじめ等はこの世に溢れている…。そんな世の中に実際に超能力者という存在が出てきた場合、その様な扱いになるのは目に見えています。

さて、その頃シロエはキースの秘密を探る為、フロア001(劇場版にこの名称は出てきませんが)に。

飛行訓練の後、ミュウについて、研究しようとするキースにサムが声をかけます。君の幼馴染だったとはいうキースに心外だと言う調子で笑い飛ばしますサム。
「あんな化け物の知り合いなんて、見たこともないね!」
サムのジョミーに対する記憶が消されている事に気づき、マザーのやり方が徹底していると指摘するキースに、マザー・イライザは言い放ちます。
「(ミュウに)憎しみ以外感じる必要はありません。」
では、なぜミュウ因子を管理出産の中で排除しないのかと聞くキースに、自分の中にその答えはない、答えを持つのはぐランド・マザーだけだと答えるマザー・イライザ。

その時部屋に、ESP検査を受けてフラフラになったシロエが入ってきます。
「見たんだよ。お前の生まれた場所が。分かったんだよ。お前はこの場所で、あのガラスケースの中で14年間育ったんだ。故郷も母親も有りはしない!イライザに作られた実験体だ!」
「言うな!!」
劇場版のキースは初めから自分の出生の秘密を知っているようです。
「僕は母さんが好きだった。あの人の周りにはいつも花の香りがした。俺はイライザを、成人検査を許せない!」
劇場版のシロエは一人称が「俺」なので喋りが男っぽい感じがしますね。いや、男の子なんですけど年も主役陣と同い年だったりしますし、原作やTV版と比べると大人っぽい感じがします。…髪の色がジョミーとほぼ一緒なのは勘弁してほしいんですが…。前にも書きましたが、一緒に出てこないから良い物の、区別がつきません。

シロエが警備隊に捕まった後、今度はステーションにジョミーからの精神派通信が…。子供の頃を思い出せと訴えるジョミーに、まず新入生が、次に大人たちが影響されて行きます。キースだけを残して…。
「僕は…アンドロイドだから…。」
キースが最初から出生の秘密を知っている以上、人と違って当たり前と今まで疑問に思っていなかったのかもしれません。しかし立て続けにそれを目の当たりにし、初めて感じる衝動と疑問。管理社会への不審…。たとえ作られた実験体だとしても、人間と同じ仕組みで出来ているには違いがなく、育った環境が今までのキースの全てだったのだから、それに対して疑問を抱いた時の衝撃はどんなものなのでしょうか…。
その時シロエがステーションを脱走し、一人無事だったキースにマザー・イライザから抹殺指令が出ます。
「何故、地球へ向かって飛ぶ?」
「ガラスケースで育ったお前には分からないだろう…。」

シロエの乗る飛行艇を撃墜した後、流す涙。おそらくキースの人生で初めてのもの…。
「シロエ………!!」

「今、誰かの想いが一瞬空間を突き抜けて来て、つかもうとしたらふいに消えてしまった…。」
原作&TV版ではジョミーだったこの台詞、フィシスになってました。確かにフィシスなら、何か感じても不思議はなさそうですが…(苦笑)。

地球に行かずにさすかに降り立った事を訝しがるアルフレートに答えるフィシス。
「美しい星です。このナスカには地球とは比べようもないけれど、空気も水も有ります。きっと人類がこの星を捨ててから条件が変わったのでしょう。地球からも遠いし、人類もこの星には気づいていないのでしょう。」

劇場版ではナスカの空気はそんなに希薄なものではなさそうです。だれもバリアを張っていません。
つりズボンに汚れてもいいラフな格好で農作業をするソルジャー・シン。…彼ならやりそうですが、長という立場を考えれば、リオでなくても一言言いたくなりますよねぇ。どうやら会議放ったらかしで農作業に夢中になっていたご様子(笑)。

会議において、活発に意見を交換する長老VS若者。構図的にはTV版と一緒ですが、まだ話し合いの枠から外れてない分、TV版より穏やか…かな?憎しみ合いたくないという若者の考えは正しいと思います。ただ、受け入れる相手側にその意志はないわけですが…。
「憎しみなど知らないで済めば、その方が良い。地球へ行けば人類との戦いが待っているんだ。戦えば、更に根強い憎しみが生まれるだろう…。その後に僕達は人類と手を繋ぐ事が出来るんだろうか?僕がこの星に降りる事を決めた時、僕は考える時間が欲しかった。」
自分の気持ちをみんなの前で打ち明けるジョミー。畑を耕し野菜を作る、昔ながらの生活を体験してみて、自然出産に人が戻る事が出来ないかと…。でも周りの反応は「非合理的」との考え。皆を見渡し、忘れてくれと言うジョミーの目が、一瞬カリナと合います。カリナは悟ります。自分なら賛成してくれるのではないかと、ジョミーが考えた事を。喘息で虚弱体質だから無理と言う周りの反対を押し切りカリナは言います。
「貴方がそう望んでいらっしゃるのなら、私やってみます。私の身体で子供を産んでみます。」
プロポーズですか、カリナ?約30年前上映と言うことを考えると、女性からとは随分進歩的な…(笑)。
「素敵だ!自然出産が出来るなんて、これこそ人類への最大のメッセージだ!コンピュータに支配されている彼らを目覚めさせてやるんだ!!」

実はこの二人が夫婦でトォニィがジョミーの実の子と言う設定は、私は余り好きではないんです。ジョミーは劇場版以外では、妻も子も持たないままです。立場や状況がそれ所ではなかったことも確かですが、カリナは劇場版以外ではジョミーがミュウとして目覚めた時、幼い子供だった為そういう対象として見ていなかったのでしょう。原作に至っては、母体出産一号になるまで面識が有ったとも思えませんし。別にジョミーが誰かを好きになるのはかまわないのですが、トォニィとの間に血の繋がりが出来てしまった時、両者の間に当然生まれるはずの親子感情が、話として邪魔になる(実際描かれずに終わりましたが)と思うのです。そして親子の設定にしたのなら、家族らしいシーンが出産シーン以外の部分で無しで終わってしまった事にも不満は有ります。出産中にあわてるジョミーは世の父親ってこんなもの(笑)って感じで微笑ましかったですが。ユウイの方がまだ冷静でしたね。

さて、場面は変わって人類側。5年後ってテロップが出ますが、いつから5年ですか?前のトォニィ出産シーンから考えると、5才にしては後で出てくるトォニィ小さくないですか(笑)?
海賊退治で功績を挙げVIP入りしたキース、地球に還ってきます。劇場版ではある程度地球の自然治癒に任せているようで、何とか住める様になってから、地下都市を作ったって感じです。表向きはともかく、内心思いっきり管理社会に反抗的なキース。シロエの影響!?
「何かが…何かが大きく欠けている。」
その時、彼の部屋に逃げ込んでいるミュウを発見するキース。ミュウである事を見破られて、殺されそうになった所を何とか逃げ出したはぐれミュウのマツカ。自分の事、ミュウの事を知らない彼をキースは助けてやります。ミュウを身近に置けば何か分かるのではないかというのが、最初の頃の考えではないでしょうか…。後ろから近づくと攻撃される所は一緒ですが…、微妙にマツカに優しいキース(笑)。

サムのいる辺境パトロールがナスカに異変を感じます。幻覚で捉まえるミュウ達。記憶を消してしまおうと言う長老たちに、サムに気づき、船の航路の記録を消して後はあちらこちらで事故を起こしてカムフラージュすれば良いというジョミー。劇場版ジョミー、幼馴染に冷静です!父親になったからか!?(それ、大きいかも(笑))

幻覚だけでサムは発狂してしまっていたので、キース自らが調査に乗り出します。もう、そんな地位でないことはマツカの台詞でわかりますが、それを懇切丁寧に説明してやるキース。
「ミュウの事が分からない限り、地球中央の考えている事が分からない。」
ところでキース、何故マツカにそれほど優しいの(笑)?
当時はその手の女性ファンはそれほど多くなかったはず。声をやっているのが某大女優だからですか?当時はまだ子供でしたが事務所が当時強力だったから、いろいろと…。 
いえ、何でも有りません…。

ナスカに一人で降りるキース。幻覚が聞かずにミュウ達はあわてますが、そこはジョミー、ソルジャーの貫禄で一人で小型艇墜落させます(普通死ぬって、キース)。
機械にかけても深層心理を読ませないキースに焦るミュウ達。
「それにしても強い意志。」
「だからこそ話し合いたい。人類とミュウの平和共存への道が開けるかもしれない。」
あくまで人類との共存を目指すジョミー。本来は優しい人。本当は戦いたくなんてないんでしょうね。
そんな彼が戦前に立たなきゃいけない。それが凄く悲しいです。


今回はここで切ります。前・中と来ましたが、次で後となるんでしょうかね…。いつの間にかこっそり番号になってたらどうしよう(苦笑)。

10月20日追記:中編を上下に分けました。心配してた通りです…。

 


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冬萌まる▼・ェ・▼

ジョミーとカリナができちゃう展開、原作で、カリナの
相手役がすごくカゲが薄いので、私は違和感なかった
ですネ^^;でも、映画は展開はやっ!と正直思いまし
た。ミカリンさんのおっしゃる夫婦感情親子感情なんて
皆無・・・じゃないと2時間の枠に収められないーー;
よくこの作品を映画化しようなんて思ったなぁと
感心します^^;
by 冬萌まる▼・ェ・▼ (2007-10-15 21:09) 

ミカリン

>ふゆもえさん
確かに影薄かったですよね~。あの後1回も出てこなかったし。
時間がないのでしょうがないですが、ジョミーとトォニィ親子なのに、原作やアニメに見られるような、ジョミー大好きっ子のトォニィじゃなくて残念でした。あの頃は、2時間なかったですもんね。同時上映とか普通でしたし。それ考えると良くまとめられたなとは思いますが…。
by ミカリン (2007-10-16 02:59) 

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