『クリスマス・ボックス』 [読書]
何年も前、アメリカでベストセラーになった事がニュースで取り上げられたりしたので、題名に覚えのある方もいらっしゃると思います。
主人公わたし(リチャード)は妻ケリーともうすぐ4歳になる娘ジョナとの3人家族。当時珍しかったフォーマルウェアのレンタル業を営みながら、つつましくも幸せな生活を送っています。
只一つの問題は、次第に大きくなるであろう娘と、後に生まれるかも知れない家族のことを思うと現在のアパートが余りにも狭いと言う事。そんな時、ケリーが一つの広告を持ってきます。
『大通りの大きな屋敷に住む老婦人が、食事の支度、簡単な家事、庭仕事の出来る住み込みの夫婦を求めています。個室提供。祝祭日休み。乳幼児歓迎。』
仕事場からも近く、当の老婦人メアリーアン(通称:メアリー)は上品で穏やか。14年前に亡くなったという夫デイヴィットの残した財産で充分やっていける状態で、住み込みの条件も非常に緩やかなもの…。
1日2回の食事と、週2回の洗濯、週一回の芝生の刈り入れ…そんな程度の条件。
リチャード一家とメアリーは穏やかに仲良く生活を始めますが、家に引っ越してから毎晩リチャードは同じ天使の夢を見るようになり、夜中に鳴る不思議な静かな音楽に導かれるように屋根裏に有るクリスマス・ボックス(クリスマスに関係する、カードや飾りを入れておく物。聖書を入れておく人もいる)を開けます。そこにあったのは何通かの手紙…。愛を綴った内容に、彼は最初メアリーと亡夫デイヴィットの間に交わされたラブレターかと考えますが…。
間も無く老メアリーの身体に変調が現れ始めます。
「リチャード、この世で最初のクリスマスの贈り物はなんだったか考えたことある?」
メアリーのこの問いは何を表すのか、クリスマスボックスの中の手紙は誰に宛てられたものなのか…。
この本を読むと、何度でも涙がこぼれます。胸が暖かくなるようなそんな静かな想い。
人にとって一番大切なものとは…。それぞれ違うとは思いますが、心の中のクリスマス・ボックスに、それを大事にしまいましょう。
私は何を入れましょう?
貴方は何を入れますか?
それを探すために人は生きているのかも知れません。
こういう風に穏やかに暮らしたいものですね。
人生も終盤に近づいてきました。
私のクリスマス・ボックスには感謝の気持ちを
入れたいですね。
by (2007-12-21 10:08)
>とわさん
私のクリスマス・ボックスには何を入れるかが、まだ決まっていません。
人生が有るうちに、じっくり探して行こうと思っています。
「感謝の気持ち」素敵ですね。
by ミカリン (2007-12-21 15:34)